薩摩順吉,理工系の数学入門コース7 確率・統計,岩波書店,1989年. (1年次講義「確率統計学」の教科書).
本演習では,主にこの本の §6-1〜6-4 の内容を扱う. この本を持っていない人は, 統計学の本 (実験テキストの例題を解くのに必要な情報が載っているもの) を持参すること.
1. 統計学の基礎に関する教科書っぽい本.
考え方の説明が丁寧な本や 私にとってわかりやすかった本を次に挙げる. これら以外にも統計学の本は世の中に沢山ある. 私にとってわかりやすい本が貴方にとってもわかりやすいとは限らない. 本屋・図書館で自分にとってわかりやすい本を探してみるとよい.
鷲尾泰俊,数学ワンポイント双書18 推定と検定,共立出版,1978年.
私にとって一番わかりやすかった本.
特に,仮説検定の考え方と使い方については,
薩摩先生の教科書よりもこの本の説明の方が丁寧だ
(本演習の例題解説の図4は,この本の図4.1の焼き直し).
確率の基礎 (確率変数,分布,期待値など) を知っている読者を対象としている.
鳥居泰彦,はじめての統計学,日本経済新聞出版社,1994年.
小島寛之,完全独習 統計学入門,ダイヤモンド社,2006年.
標本の統計量(平均,標準偏差等)の意味と推定・検定の考え方について,
くどいくらい丁寧に解説した本.
特に,区間推定についての次の説明はうまいと感じた:
"「95パーセント的中」の範囲を選ぶということは,逆に見れば,
「5パーセントは予言をはずす」覚悟をすることになります.
" (第8講,p.82).
中学校までの数学だけを使って解説することを目指しているので,
数式が少なく,確率も表立っては出てこない.
そのため,理系の大学生には逆にわかりにくい部分もあるかもしれない.
しかし,統計学の考え方を理解するのには役立つと思う.
2. 統計学に関する読み物.