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長波展開の破綻

Salamonら[5]は, 基礎方程式(1)-(3)の定常進行解を 直接数値計算によって求め, 長波展開の結果と比較した. すると, 長波方程式(5)は 正しい分岐図のごく一部しか再現しないことが判明したばかりか, 長波展開を高次まで進めても不一致は全く改善されなかった.

特に目立つのは, $R$がある限界値$R_*$を超えると 長波方程式の定常進行解が存在しなくなることである(次頁の図の$\times$印を見よ). これは実験事実に反する. また,長波方程式(5)の非定常解を $R>R_*$の場合に計算すると有限時間で発散し[4], これも実験事実に反する.




著者: 大信田 丈志
ooshida@damp.tottori-u.ac.jp 2000-08-24